壁に後頭部がつかないのはなぜ?後頭部―壁間距離(OWD)からみる姿勢の傾向|厚木市の整体あふり厚木本院

「壁に頭をつけて立つと、後頭部が浮いてしまう」——気になったら

壁を背にして立ってみたときに、「思っていたより後頭部が壁から離れている」「顎を引かないと頭が壁につかない」と感じたことはありませんか。姿勢を人から指摘されたことがある方や、猫背・巻き肩が気になっている方の中には、こうした違いにふと気づいて、それが何を意味するのか、放っておいて大丈夫なのか気になる方もいらっしゃいます。

この記事では、後頭部と壁の距離を目安にした簡易的な姿勢チェック方法(後頭部―壁間距離、Occiput-to-Wall Distance:OWD。「後頭部壁テスト」とも呼ばれます)のやり方と、姿勢の傾向と痛み・体の動かしやすさとの関連について、研究報告をもとにご紹介します。

「後頭部が壁につかない=ストレートネック」ではありません

先にお伝えしておきたいのは、後頭部が壁から離れているからといって、それだけで「ストレートネック」と判断できるわけではないということです。後頭部と壁の距離は、首だけでなく、背中の丸まり(胸椎の後弯)や頭が前に出ている姿勢(頭部前方位)など、体幹を含めた姿勢全体の傾向を大まかに把握するための一つの目安にすぎません。首の骨の状態そのものを表す指標ではないため、「後頭部が壁につかない=ストレートネックが確定した」という受け取り方はしないようにしてください。ストレートネックそのものについては、ストレートネックのページもあわせてご覧ください。

後頭部―壁間距離(OWD)のやり方

壁を背にして、かかと・お尻・背中(肩甲骨のあたり)を壁につけて立ちます。次に、正面を見た状態で(顎を突き出したり引いたりせず、頭を水平に保ったまま)、後頭部が壁につくかどうかを確認します。

OWDの測定方法にはいくつかの種類があります。今回ご紹介しているのは、正面を見て頭部を水平に保った状態で測る方法ですが、研究や臨床の場面では、できる範囲で後頭部を壁に近づけようとした状態で測る方法が使われることもあります。測定の仕方によって数値の出方が変わりうる点は、あらかじめ知っておいていただきたいポイントです。

このとき大切なのは、「つく」か「つかない」かの二択だけで判断しないことです。後頭部と壁の間に隙間ができる場合は、後頭部から壁までを壁に対して垂直に測るようにして、その距離を意識してみてください。ご自身おひとりで測る場合は測定のたびに誤差が生じやすいため、数値はあくまで大まかな目安として捉えてください。

あわせて、隙間ができた場合に、意識的に後頭部を壁に近づけようとしたときの反応にも目を向けてみてください。無理なく近づけられるのか、それとも途中で止まってしまうのか。ただし、これだけで脊柱の可動性や姿勢が固定されているかどうかを判断することはできません。意識して姿勢を変えたときに距離が変化するかどうかを見る、という程度の確認にとどめてください。

OWDと痛み・体の動きやすさの関連

どのような研究か

Balziniらが2003年に発表した研究では、前屈・円背姿勢がみられ、慢性的な腰背部痛のために老年リハビリテーション部門に紹介された70〜93歳の女性60人を対象に、後頭部と壁の距離(OWD)と、頸部・腰部の痛み、背筋力、歩行時のバランス、日常生活動作の能力などとの関連を調べています。研究対象がこのような特定の患者群であることは、結果を受け取るうえで前提として押さえておきたい点です。

研究内で使われた区分(一般的な正常・異常の基準ではありません)

この研究では、対象者をOWDの大きさによって、研究内での目安として次のように区分しています。あくまでこの研究の中で使われた区分であり、一般の方の姿勢が正常か異常かを判定する基準ではありません。ご自宅で測った数値を、そのままこの区分に当てはめてご自身の状態を判定しないようにしてください。

研究内の区分 OWD(後頭部と壁の距離)
軽度 5cm以下
中等度 5.1cm〜8cm
重度 8cm超

この研究では、中等度・重度の群は、軽度の群と比べて頸部や腰部の痛みが強い傾向がみられました。また、重度の群では、軽度の群と比べて背筋力や歩行時のバランス、日常生活動作の能力についても低い傾向がみられたと報告されています(なお、重度の群と中等度の群のあいだには、これらの項目で明確な差はみられなかったとされています)。

ただし、この研究は横断研究(ある一時点の状態をまとめて調べる研究デザイン)です。そのため、姿勢の傾向が痛みや体の動かしにくさの原因になっているのか、それとも痛みや体の動かしにくさの結果として姿勢が変化したのかは、この研究だけでは判断できません。ここで紹介しているのはあくまで「関連がみられた」という報告であり、因果関係を示すものではない点にご留意ください。

なぜ姿勢の傾向が痛みと関連しやすいのか

OWD(後頭部壁テスト)は、胸椎(背中の骨)の丸まり具合(後弯)や、頭部前方位を含めた姿勢全体の目安として使われることがある指標です。痛みは姿勢だけで決まるものではありませんが、姿勢によって筋肉や関節にかかる負荷が変化することはあります。

「後頭部―壁間距離(OWD)のやり方」でご紹介した、意識して後頭部を壁に近づけようとしたときに変化がみられるかどうかという視点も、こうした姿勢の傾向を振り返るための一つの手がかりとして参考にしてみてください。

病院で行われる一般的な対応と、それでも気になる場合

強い痛みやしびれ、手足の動かしにくさなど、姿勢のセルフチェックだけでは判断がつかない症状がある場合は、整形外科などの医療機関で診察を受けることが基本になります。医療機関では診察を行い、必要に応じてレントゲンやMRIなどの画像検査、神経学的な検査を行ったうえで、症状に応じた治療方針が説明されます。

そのうえで、痛みや大きな症状はないものの、日常的な姿勢の崩れや、体の動かしにくさそのものが気になる、という場合には、姿勢の傾向を整えるアプローチが選択肢の一つになります。

整体あふり厚木本院の考え方・施術方針

整体あふり厚木本院では、後頭部と壁の距離だけを単独で見るのではなく、背中や骨盤まわりの動きやすさ、日頃の姿勢の癖など、体全体のつながりの中で姿勢の傾向を確認するようにしています。検査・評価を行ったうえで、背中まわりの動きにくさに対して、無理のない範囲でアプローチを行っています。

また、立っている状態だけでは捉えにくい体の使い方を確認するため、歩き方の確認(歩行確認)もあわせて行っています(歩行確認は初回ではなく、2回目以降に行っています)。

姿勢は日常生活での体の使い方だけでなく、筋力や体の動きやすさなど、さまざまな要素の影響を受けます。ご自身で意識しやすいポイントも含めてお伝えするようにしています。

まとめ・ストレートネックについてもっと詳しく知りたい方へ

後頭部―壁間距離(OWD)は、後頭部と壁の距離をきっかけに、ご自身の姿勢の傾向をおおまかに振り返るための一つの目安です。「つく・つかない」の二値ではなく距離として捉え、研究で使われた区分をご自身の測定値にそのまま当てはめないようにご注意ください。そのうえで、強い痛みやしびれがある場合は医療機関での確認を優先し、日常的な姿勢の崩れが気になる場合は、専門家に相談するという選択肢もあります。

ストレートネックとの関係や、首まわりの症状について詳しく知りたい方は、ストレートネックのページもご覧ください。姿勢や体の動かしにくさについて気になる点がございましたら、お気軽にご連絡ください。

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