今回の記事では、「肩関節周囲炎」や「五十肩」と診断された際、その痛みの正体が何なのかを正しく理解することは、適切な治療への第一歩ですについてです。
「肩が上がらない」「夜中に肩が痛む」といった症状で、病院・整形外科へ行くと「肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)」や「凍結肩」や「拘縮肩」と診断されることがあります。
しかし、ここで注意しなければならないのは、その動かしにくさ(可動域制限)の原因がどこにあるのかという点です。
多くの場合、
- 靭帯
- 関節包
- 筋肉
- 腱
といった「軟部組織」の硬さが原因ですが、中には「骨そのものの変形」が原因で動きが制限されているケースがあります。今回は、レントゲン画像でチェックすべき2つの大きな疾患について解説します。
1. 変形性肩関節症(1次性OA)(図の左)
まず、膝の痛みでもよく聞く「OA(変形性関節症)」が肩にも起こります。
特徴: 主に上腕骨頭(腕の骨の頭)の下方(下側)に、トゲのような「骨棘(こつきょく)」ができるのが特徴です。
変化: 進行すると、受け皿である「関節窩(かんせつか)」の形も変わってきます。
頻度: 膝の変形性関節症に比べると発生頻度は高くありませんが、骨同士がぶつかることで物理的に動きが制限されます。
2. 腱板断裂性関節症(Cuff Tear Arthropathy)(図の右)
もう一つ、肩特有の重要な疾患が「腱板断裂性関節症」です。これは、肩を支える「腱板(けんばん)」が広範囲に断裂した状態が長く続くことで起こります。
腱板が切れて骨を支えられなくなると、腕の骨(上腕骨頭)がどんどん上方へ突き上げてしまい、周囲の骨を削りながら独特な変形をきたします。
アセタブライゼーション(Acetabularization )(臼蓋化): 肩甲骨の屋根にあたる「肩峰(けんぽう)」が、まるで股関節の受け皿(臼蓋)のように凹んでしまう現象。
フェモライゼーション(Femoralization)(大腿骨頭化): 突き上げた上腕骨頭が削れて丸みを帯び、まるで太ももの骨(大腿骨)のようになってしまう現象。
なぜレントゲン評価が重要なのか?
腱板断裂性関節症が進行すると、肩峰下のスペースがほとんどなくなり、骨同士が直接ぶつかり合うようになります。
こうなると、徒手療法や運動療法だけで可動域を戻すことは非常に困難です。現在は、このように進行したケースに対しては「リバース型人工肩関節置換術」という手術が有効な治療選択肢として選ばれることが多くなっています。
まとめ
「ただの五十肩だから、放っておけば治る」と自己判断するのは禁物です。
軟部組織由来の拘縮なのか?
骨性の変形が起きているのか?
これを正しく判別するためには、専門医によるレントゲン評価が欠かせません。「なかなか痛みが引かない」「どうしても肩が上がらない」とお悩みの方は、一度しっかりと画像検査を受けることをお勧めします。
また別記事で四十肩・五十肩(肩関節周囲炎・拘縮肩)に関しての書き記していきます。
いかがでしたでしょう。
四十肩・五十肩(肩関節周囲炎・拘縮肩)で困っている方の一助になれば幸いです。
〈監修〉整体あふり 厚木本院 院長 小林 大志
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